「しなの音の輪」は満6年を迎えまして活動を完了いたします。

以下に、2023年1月15に開催されました「大森晶子と仲間たち〜五重奏の愉しみ〜」プログラムでの文章を転載いたしまして、皆々様への感謝とともに、締めくくりのご挨拶とさせて頂きます。


〜音楽は宝! 人は財!〜


 6年前「しなの音の輪」は、矢嶋廣道氏に代表を、太田英行氏に副代表をお願いして、私を含めて企画室9名で発足いたしました。

 結成のきっかけは、それまで私が個人的に続けておりました若い人の演奏の場を作るためのコンサート活動から、より視野を広げた世代や地域を超えた質の高いコンサートに発展させたいという思いによるものでした。

 中でも、毎夏に開催して参りました「音の玉手箱コンサート」では、コロナ禍での延期もあった中、各楽器をテーマに、オペラから金管五重奏、弦楽六重奏、ピアノと打楽器のアンサンブルなど様々な企画に挑戦いたしました。

 第一回のオペラ以外は赤字開催となり、他のコンサートからも資金を回すといった厳しい現実にも直面いたしましたが、会員有志の方の応援金、ご縁あるお店や団体からの広告費、また共演者からのご寄付などに助けられる中でこれまで続けてこられたことは、ひとえに皆様のご協力のお陰です。

 心より御礼申し上げます。

 

 しなの音の輪としての活動は今日のコンサートで締めくくりを迎えます。

 6年を区切りにさせて頂いたのは、両親の年齢を考慮して私が自由に動ける間にと思ったからでした。演奏をしながらの自主企画と運営には時間とエネルギーが必要だからです。当時元気に手伝ってくれた父はすでにおりませんし、一番のファンである94才の母も入院中です。

 そして陰になり日向になり支えてくださった企画室8名の皆様も、それぞれ親御さんの介護やお子さんお孫さんの世話など取り巻く環境が変化し、6年という歳月の重みを強く感じています。

 私も信州に来てそろそろ四半世紀となります。

 東京にいたらまったく演奏をしていなかっただけでなく、こうして皆様と楽しく、音楽の輪を広げながら心豊かに過ごすこともなかったと思います。父の亡くなる直前の言葉「信州は良いところだなあ」という一言にすべてが凝縮している気がいたします。

 私自身も高齢者とはなりましたが、これからも前進を続けるつもりでおり、引退は考えておりません。若い人達とのアンサンブルも、「音の玉手箱コンサート」から「大森晶子と愉快な仲間たち」と昨年夏からはネーミングも変えさせていただきました。これも次に繋げたいとの思いからです。

 しなの音の輪に携わってくださったすべての皆様への感謝の気持ちを込めて本日、ふたつの五重奏をお届けしたいと思います。


「しなの音の輪」を6年間支えてくださり、ありがとうございました。


                              しなの音の輪 大森 晶子

                                    企画室一同


ピアニスト大森晶子の活動は続きます! 今後の情報は大森晶子公式ホームページへ。